大東文化大学 経営学部  経営学演習(担当  梅沢 豊)
2001年度  第6回 5月21日
「経営科学の課題」

1.企業の境界はいかにして決まるか。
 ・「Make or Buy」、「Add value or Sell」
 ・事業領域設定の戦略: 分離・分割、統合

2.現代の企業を規定している三つの制度的条件
 1)社会的分業
 2)市場経済
 3)株式会社制度とコーポレート・ガバナンス
  ・	持ち分の証券化、有限責任制、譲渡の自由
  ・	最高の意思決定機関としての株主総会
  ・	取締役:株主総会で選任され、会社の業務執行に関する重要事項の意思決定
   に参加するもの。
  ・	取締役会: 取締役全員によって構成され、株主総会の権限に属するものを
   除き、会社の業務執行に関する重要事項、すなわち、代表取締役の選任、新株
   発行、準備金の資本金組み入れ、社債発行、中間配当の決定などを、過半数の
   取締役の出席した会議で決定することができる。

3.営利(私的)企業と非営利(公的)企業: 一般財・サービスと公共財・サービ
 ス

4.経営:「(企業内)分業に基づく協業の調整」

 企業の中では、仕事が分割されて人々に分担されてきた。この分割された仕事を纏
 め上げる仕事がマネジメント(狭い意味での経営、管理)の仕事である。経営学は
 、従来から、このマネジメントの問題を巡って展開されてきた。

5.経営科学の課題

 激変する現代の社会環境の変化に適応して存続しながら、他方で社会の動きに大 
 き く影響を及ぼしている企業の構造と活動を、社会環境との相互作用を重視しな
 がら 、科学的に解明(理解・説明)すること。

文献
・土屋守章、「現代経営学入門」新世社、1994
・Herbert A. Simon, The New Science of Management Decision, Revised Edition, 
 Prentice-Hall, 1977. (邦訳:稲葉他訳、ハーバート・サイモン著、意思決定の
 科学、産業能率大学出版部)

設問
 1.最近の企業合併・提携についてあなたの考えるところを述べなさい。
 2.この講義を聴講し始めて、あなたの経済・企業を見る見方にどのような変化が
  生じていますか。

                                                                  以上

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